【33日目】久しぶりのテント泊!

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朝令暮改

野宿で行くと決めたその日からもう宿に泊まってしまったのである。

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やさしい女将さん

笑福旅館の女将さんは素泊まりのボクに朝メシを出してくれ、出発の際には凍らせたペットボトルのお茶まで持たせてくれた。

宿からすぐの55番南光坊を打つ。

ちょうどボクが境内に入るとき、裏門を出ていくイシイくんの後ろ姿が見えた。

淡い期待

3km先の56番泰山寺、さらにその3km先の57番栄福寺を打つ。

ちょっとした札所ラッシュだ。

57番栄福寺では団体遍路と居合わせ、おばさん達が口々に「えらいねえ」と労ってくれた。

ボクはさもしくも金銭のお接待を期待した。

イシイくんが何度か金銭のお接待を受けたと言っていて羨ましかったのだ。

ボクは一度もない。

無縁仏を弔う

道中、「四国遍路無縁墓地」というのがあった。

行き倒れた遍路を弔ってあり、ボクは手を合わせた。

小山の上にある58番仙遊寺まで登る道すがらしまなみ海道が見えた。

下り道、先ほど58番仙遊寺で居合わせたご夫婦がクルマで追い抜きざまに桃をお接待してくれた。

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徳の差

国道へ出てローソンでおにぎりと焼き鳥を食っていたらイシイくんが現れた。

すぐ隣の豚太郎でラーメンを食ってきたらしい。

59番国分寺を打つ。

門前に今治タオル屋があり、タオルをお接待していると聞いたことがある。

ボクは貰えなかったのに後から来たイシイくんは貰っていた。

もう徳の差というほかない。

氷袋

イシイくんは壬生川にゅうがわという街に泊まるらしい。

ボクは光明寺にある善根宿へ行こうと思う。光明寺は札所ではないが野宿遍路を受け入れているのだ。

チャリのカゴにスーパーの買い物袋を乗せたおじさんが氷袋をお接待してくれた。

魚かなにかを冷やすためのものだろうが、おじさんは「もう家近いから」と立ち去った。

氷袋のお接待とは面白い。

暑い日だったのでイシイくんと2人、頭の上に乗せて歩いた。

またどこかで

孫兵ヱ作というバス停前の自販機コーナーで休憩した。

地図を見るとちょうどそこが光明寺方面への分岐点である。

イシイくんは壬生川だから国道を直進だ。「またどこかで」と声を掛け合い別れた。

ひとつ丘を越えて西条市の平野を見渡す。この道を下っていけば光明寺だ。

光明寺の善根宿

光明寺の境内に宿泊用の小屋があり先客が2人あった。共にプロ遍路っぽい年配の男性。

中はかなり暑いのだろう。2人ともパンツ一丁だ。

住職さんに挨拶し宿泊を申し出る。

さすがに小屋に3人は狭いので、境内でテントを張らせてもらうことにした。

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銭湯とビール

寝床の支度をしてから、住職にチャリを借りて近くの銭湯へ向かう。

2つある浴槽のうち1つには湯が入っておらず、入っている側も湯量が少なかった。

客が少ないから節約だろうか。

銭湯の隣が酒屋とはよくできてる。

さっぱりして呑む缶ビールは格別である。

刺さった日常

「そごうマート」というスーパーで弁当を買って店先のベンチで晩メシにした。

老夫婦がクルマで買い物に来た。奥さんだけがスーパーに入る。

ボクはメシを食いながらなんとなくクルマで待機している旦那さんを見ている。

手持ち無沙汰からか、ややするとクルマを降りて自販機でオロナミンCを買って飲んだ。

晩メシの支度をしていてしょう油でも切らしたのか、サクッと買い物を済ませた奥さんが戻ってきて帰っていった。

取るに足らぬ日常の光景ではあるが、なぜか印象に残った。

明日は難所60番横峰寺だ。

携行食、水2ℓと寝酒の缶ビールを買い光明寺へ戻ると、若者が1人増えていた。

久しぶりのテント泊

若者がテントの設営を始めた。ボクと同じアライテントだ。

ボクはベンチでビールを呑みながら、キャンプ用のシングルバーナーで晩メシの支度をする若者と話した。

若者はムラオカくんといった。

ムラオカくんは山門の横にテントを張った。そっちのほうが虫の気配がなさそうだとボクもその横にテントを移した。

テントに横になるとアスファルトに日中の熱が残っており、暑くてなかなか寝付けなかった。

ムラオカくんも暑いらしく、何度もテントを這い出てはホースで水を浴びていた。

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