BGM選びはTPOが肝要である。
朝起きぬけの1曲目、みなさんどのような音楽で茶の間を満たしておられるのか。
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朝は無音でという向きもおられるだろう。
津軽海峡冬景色の歌詞よろしく、陰々滅々と職場におもむく朝などはボクも無音である。
それでも休日の朝ともなれば、コーヒーの匂い、朝餉の匂いと同じく、匂いをふりまくように音楽をかけたい。
シャカタクは80年代から活動する現役のイギリスのフュージョンバンドである。
日本語だとちょっと間抜けな響きになるバンド名はつい口に出して言いたくなる。
ボクはシャカタクを朝の1曲目にチョイスすることが多い。
この「NightBirds」は中古レコードでたしか300円で手に入れた。
清冽な朝の空気を表現するような鍵盤の旋律、起き抜けの気怠い気分に水をかけない抑えたテンポ。
1曲目のタイトル曲「NightBirds」は、何かのTV番組のテーマ曲だったらしく耳に覚えがあった。
ジャケットには、地平線から射し込む青い暁光の中をたゆたう二羽の鳥が描かれている。
「NightBirds」とはつまり「夜と朝の間」のメタファーである。
まだ明けきらぬ休日の朝、コーヒーか日本茶を淹れて、ニュースやSNSの「いいね」をチェックしながらボリュームを抑えめで聴くととても心地がよい。
アルバムが後半に向かうにつれ、昇ってゆく太陽のように曲が微妙にテンポアップしていくのもコンセプチャルである。
9曲/51分を聴き終えるころにはバッチリ目も覚めてナイスホリデーが始まる。