高知市内を流れる鏡川が浦戸湾へと流れ込まんとするちょうどその境目。
ぽつねんと浮かぶ小島が1ヶ。
島の名は「丸山台」といい、橋はかかっていない。
高知で生活しているとなにかと目にする機会も多いこの珍景、ずっと気になる存在だった。
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当初は「戦跡?砲台跡?」くらいに思っていたのだが、どうも違うらしい。
明治の頃にはこの島に「此君亭(しくんてい)」という料亭が店を構え、灯ともしごろともなれば屋形船が行き交い、桃源郷然とした風情を醸していたという。
自由民権運動、および100円札のモチーフで知られる板垣退助がなじみにした料亭で、当時は温泉施設まで擁する広大なものだったというが、昭和21年の南海大震災で島は変形し現在は半分以下のサイズになってしまっている。
ふた昔ほど前ならカップルが貸しボートで訪れる、高知で定番のデートスポットだったという。
そんな丸山台、大潮の日には干潟が出現し歩いて渡れると知ったのがつい先ごろ。
こりゃまた趣のある話だ、とさっそく先日の大潮の日に訪れてみた。
確かに渡れそうな雰囲気ではある。
でも見て、何かが大量に散らばってる。
実はこれカキである。
川とはいえこの辺りは潮の満ち引きで海水も入り混じる汽水域。
こんなもの踏みしめて歩けばコンバースくらいならザックリ裂けてしまいそうだ。
ビブラムソールのゴム長がほしいところ。
干潟でアサリ掘ってたジイちゃんに聞くと、ここらのカキは生で食ったら死ぬらしい。
茹でりゃ食えなくはないが不味いのだと。
さらに、島周辺は水深があるし、ヘドロは底なしだから上陸はよしたほうがいいとのことだった。
毎年春に開催される呑んべえの祭典「土佐のおきゃく」では、過去に「丸山台のおきゃく」として、芸妓衆も呼んだ大宴会をしたこともある。
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いずれカヤックかSUPで上陸したいと思っている。