ボクが高知へ移住した理由、というよりも大阪を見限ることになった理由というのがある。
これは共感してくれる大阪人も多いはず。
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ゾンビがはびこるディストピア
大阪ってゾンビが跋扈してて、噛まれる人が増えていくディストピアになりつつありますよね?
もしかしたら東京も名古屋も福岡も、都会はどこも同じような状況で、噛まれてない人がめざす避難場所は地方にしかないのかも。
具体的に言えば、譲り合えない人種の急増とその弊害である。
この15年くらいか、歩行者同士、自転車同士、あるいは歩行者対自転車がお互いに譲り合えなくなったのである。
地下街の交差点は一触即発
大阪の地下街には鳴門のうずしおのように、人の流れがぶつかり合う場所がいくつもある。
混沌とした交差点で唯一の正義となるのが「我先に」だ。
前後左右に各斜め、あらゆる方向から人がきて押しくらまんじゅうの様相となる。
肩がぶつかるのは挨拶がわり、カバンや傘がぶつかる、足がぶつかる引っかかる。
全員が「そっちが避けろ」論で動いてる。
ルンバよりアホ
お掃除ロボ「ルンバ」よりアホである。
いずれ地下街の交差点には信号ができて、ルンバのようなロボットに先導されなければ、人混みをスマートに歩くことすらできなくなるのだろう。
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自転車でチキンレースに興じるトホホな老若男女
地上では自転車同士のバトルがすごい。
双方一直線上に向かい合った自転車は、老若男女すべからく避けようとしない。
さながらアニメ映画「AKIRA」の冒頭で暴走族クラウンのボス、ジョーカーと金田が演じてみせたチキンレースである。
先に避けたほうが負け。引き分けてクラッシュしてるアホも多い。
通勤時間帯ともなれば、そうしたチキンレースがそこかしこで繰り広げられているのだ。
頻発する意図不明の通り魔事件
2008年にこんな事件があった。
JR大阪駅構内の人混みで、通行人がカッターナイフで切りつけられたのである。
大阪駅通り魔事件で逮捕の38歳女、あきれた供述とクレーマー体質
この事件よりさらに数年前、堂島川の遊歩道を自転車で走っていた男性が、すれ違いざまに見知らぬ歩行者に切りつけられる事件もあった。
遺恨でも強盗でもない、理由なき犯行である。
彼らをサイコパスと言い切れるか
報道をみた時は「頭のおかしいのがいる」という認識だった。
しかし、彼らはただのサイコパスだったのだろうか。
大阪駅の人混みで、避けることなくゾンビのように向かってくる人の群れに日々フラストレーションを溜めていたのではないか。
今度ぶつかってきたら怪我させてやろうか、ぐらいの軽い気持ちでお守りを忍ばせるようにカッターナイフをカバンに入れたのではないか。
フラストレーションが臨界に達し、それを取り出して手に持っていたらゾンビがぶつかってきたのではないか。
誰がサイコパスを生んだか
堂島川の遊歩道は自転車の通行が禁止されている。
犯行は早朝だったらしい。犯人は朝の散歩を日課にしていたのではないか。
毎朝、自転車で猛スピードですり抜けていく通勤サラリーマンに苛立ちを募らせていたのではないか。
一度怒鳴りつけてやろうか。ここは自転車禁止だ。口論になるだろうか。殴りかかってくるだろうか。そんなことを想像し、最悪の事態に備えて身を守る武器を持っていた。
ある朝いつものように、歩行者を鑑みるふうもなく遊歩道の真ん中をかっ飛んでくるサラリーマンを見たとしたら。
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犯罪に情状酌量の余地なし
ただ、いくら自分が正しかろうとやってしまったら負けだ。
犯罪は犯罪であり、情状酌量の余地はない。
ただもしボクの妄想が一部でも事実だとするなら、この犯人たちは氷山の一角でありこうした触れれば切れるカミソリ野郎は、潜在的に相当数いるだろう。
一億総負け組の時代
では、なぜこうなってしまったのか。
ボクは「一億総負け組」論を唱える。
手垢のついた物言いになるが、長引く不況と時代の閉塞感、そこからくる思い通りにならなさ、行き場のない怒りや焦り。
自分が歩く同線上を誰かが向かってくる。どちらかが避けなければぶつかるわけだが、こんな小さな勝負すら負けてたら、どこまでも負け人生じゃないか。
そんな矮小な考えが、ゾンビに噛まれるように感染拡大している気がする。
告白
ボクも感染したクチであると告白する。
こちらから避けてなるものかと肩をイカらせて、呪詛にも似た雑言が口をつく。
そのクセ、ヤバそうな人だったらしれっと避けるのだから汗顔の至り、ほんとうに恥ずかしいことである。
「負けるが勝ち」
頭ではそうわかっていてもつまらない自尊心が邪魔をするのである。
まさか琵琶湖にけんちゃんパウダー?
関西のみずがめ琵琶湖に、誰かがけんちゃんパウダーをまいたのではないのか。
ボクも含め、これがあながち冗談ではないほどの愚かさなのである。
もはや法整備でもしない限り、自浄は不可能だろう。
そんな腐海大阪にうんざりしたのだ。
これはずっと言いたかったことであり、移住理由のネガティブ面である。