何度見ても、CMとして破格である。
Appleのスマートスピーカー「HomePod」のCM動画がすごい。
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監督はスパイク・ジョーンズ、主演はFKAツイッグスである。
この時点で普通じゃない。
HomePodにかけるApple社の意気込みが伝わるというもの。
ビョークの亜流っぽいイメージだったボクのFKAツイッグスの評価は一変した。
FKAツイッグスってダンサーだったんですね。
力を抜いたユルめのダンスパフォーマンスがメチャメチャかっこいい。
FKAツイッグス演じる疲弊したキャリアウーマンが、仕事から帰宅してHomePodに「私が好きそうな曲を」とオーダーするところからストーリーは始まる。
で、かかるのがアンダーソン・パークの新曲「Til It’s Over」ってのがまた粋ですわな。
この曲の配信は当然、Apple Musicオンリーである。
HomePod内のAIがチョイスした曲に浸ってグラスを傾けるうち、主人公は意識の拡張を覚え、最終的に鬱屈した自分とおさらばするわけだが、そこへ至る精神描写が白眉である。
同じくスパイク・ジョーンズ監督による映画「マルコヴィッチの穴」にも通じる時空のズレを嬉々として押し広げていく主人公、それをLSDトリップめいた極彩色で彩っている。
こんなにも美しい製品PRがあるかね?
操作は不要、話しかけるだけでいいプライベートDJ、それが「HomePod」。
俄然欲しくなるね。