映画監督の安藤桃子氏が手がけた高知市のプロモーションビデオがイケてる。
最近のものかと思っていたら、2014年発表とじつはけっこう前のものだった。
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安藤桃子氏といえば自身が原作、監督をつとめた映画「0.5ミリ」の高知ロケをきっかけに移住され高知在住である。
2017年秋には高知市のおびさんロードに映画館「ウイークエンドキネマM」をオープンさせていて、界隈で何度かご本人をお見かけしたこともある。
「keep and going」と名付けられたプロモーションビデオには龍馬や桂浜など、ステレオタイプな高知のイメージは一切出てこない。
音楽と映像のみのクールなものである。
ストーリーとしては、土佐電に乗って終点までやってきた少年が、そこからスケボーで山中にある桃源郷を目指すといった内容。
桃源郷のロケ地は間違いなく大穴峡である。
映像からもわかるように大穴峡は深山幽谷のムード漂うが、実は市街地からクルマで30分ほどである。
スケボーで行ける距離に豊かな自然が広がる、それが高知市なのである。
ボクも大阪から移住して間もない頃に大穴峡に遊びに行ってる。
今でこそ当たり前に享受してるけど、当時はそのあまりの近さに驚いたものである。
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桃源郷に着くと「ダバダ火振」や「美丈夫スパークリング」をラッパ呑みする大人たちに混じって、カツオのタタキ、長太郎貝、バイ貝といった高知の食が振舞われる。
河川敷に巨大なキャンプサイトをこしらえて、タープの下でDJがレコードをかけている。
一瞬チラッと映った盤面を見るとどうやらトッド・テリエの「Ragysh-EP」である。
高知の山奥にまさかのノルウェジアン・ディスコが鳴り響いていたのか。
針の位置から察するに、かかっているのはこの「SNOOZE 4 LOVE」という曲である。
アトモスフェリックでチルなこの曲が大穴峡によく合っただろうな。
動画冒頭のスケボーシーンはおそらく仁淀川堤防、そしてラストのスケボーシーンは国道56号線、須崎市安和あたりではないかと睨んでいる。
作品の感触として、やはり移住者の視点から描かれている思う。
移住者としてボクもそこにカッコよさを感じたのだろう。
そして登場する人たちがことごとくかっこいい。
こりゃ高知でもスーパーイケてるコミュニティだな。
それでは、高知市プロモーションビデオ「keep and going」、ご覧ください。