徳島でおでん屋はしご酒。
1軒目はマイクロ酒場ひしめく呑ん兵衛横丁。
正式名かは定かじゃないがとくしま裏路地酒場探究会さんによればこの横丁、秋田町裏路地通りというらしい。
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ちなみに紫の看板が目を引く「一品料理 蛍」さん。
過去に独り呑みをしたことがある。
2011年に歩き遍路をしたとき、大阪から徳島入りしてこの近くの大鶴旅館に投宿し、翌日から始まるハードボイルドな日々への不安を吹っ切るべく最後の晩餐にと立ち寄ったのだ。
さすがに一見の流れ客が出入りする店ではないので、居合わせた常連さんのやや警戒の眼差しを浴びつつの独酌だった記憶がある。
さて、目指すおでん屋はそのすぐお隣、「おでん盛(さかり)」さん。
L字のカウンター席のみの細長い店内。
突き出しは冷奴にジャコのっけてスダチ搾るやつ。
スダチかけるだけで冷奴が別物になる。
スダチ県、徳島はなんにでもスダチをかける。
ネイティブにならって納豆や味噌汁にかけても美味いよ。
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おでんのラインナップ。
サイドメニューも気になるものが多い。
すみこカレーは週末限定か、残念。
ダシは透き通った関西風。
てらいのない正統派である。
ジャガイモが皮付きというのは珍しい。
確かにこれなら煮崩れしないね。
最近弊店でもおでんを始めて、ダシを試行錯誤してる。
おでんのダシってツユまで飲み干したくなるやつとそうでないやつとでは月とスッポンの格差が出るから不思議ですよね。
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ダシの黄金色を保ちつつ、文字通り水面下であらゆる旨みを溶かし込むのが王道である。
この「黄金色を保つ」というのが関西風のキモだから、濁らせないようネタによっては別の鍋で炊くことも。
こちらでも、だし巻きやシューマイは別炊きにされてました。
どのネタも間違いないが、和牛すじが特に素晴らしい。
よるある串のやつではなく塊でドンとくる。
写真はほとんど食べてしまってて面目ない、元はもっとデカい。
呑ん兵衛横丁ってネイティブオンリーなアウェイ感があって敬遠しがちだけど、「おでん盛」さんは県外からの独り呑みにも向いてるのでは?
ただし保守的と言われる徳島の県民性である。
高知みたいに暖簾をくぐるや「旅行?サーフィン?どっからきたん?」みたいなノリはない。
今になって思うが「一品料理 蛍」で呑んだときも、話しかけられ待ちをせずにこちらから「明日から遍路で、最後の晩餐で」などとそれとなく素性を話していればまた状況は違ったのだろう。
徳島の独り呑みで触れ合いをもちたければ、まずこちらから話しかけてみるのが吉である。