高知で気取らずそば前をキメるなら「そば切り福杜」

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夏が近づき、心も服装も軽やかになってくると、決まってそばが食いたくなる。

新緑の季節、真っ昼間から愉しむそば前は風流なものだ。

今日はあいにくの曇天だけれども、ウチから近いここ「福杜(ふくのもり)」さんでそば前をキメようか。

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そば前はビールと、付け合わせのあさり時雨煮。

美味いけどそば前のアテとしてはちょいと味が濃いかな。

カウンターの他にテーブル席も数が多くて、店内は思ったよりゆったりとしている。

手打ちのそばというと禅室みたいなこぢんまりとした店内で、こだわりの強すぎるヘンコな店主がいて、自分の喰い方って野暮ったくないかしら、なぞと怯えつつ喰うタイプの店がある。

どちらかというとここはそんなガンコ系と、いわゆる丼とそばのセットがあるような大衆系の中間ポジションにあるから、気取らずそば前が愉しめる。

メニューはこのような塩梅。

ちなみに「もりそば」と「ざるそば」の違いは海苔がのっているかどうか。

のっているのが「ざるそば」。

50円の差をどうとるか。

 

「天ぷらもりそば」を注文。大阪だと「天ざる」である。

どうです、この贅沢なコンビネーション、これには千円以上の支払いもやぶさかではありません。

そばはちょっとひらぺったく切ってある珍しいタイプ。

ランチタイムはほぼ満席だった。

ゆっくりとそば前を愉しむならやはり夜の部だろう。

是非、17時半のオープンと同時にお邪魔したい。

出し巻きと蕎麦がきあたりでのんびりと冷酒を2合ばかしやっつけたら、ズズズッともりそばをたぐっておいとまである。

これからの季節、それでもまだ陽が残ってる。

帰り道、屋台からもれる焼き鳥のにおいに誘われてストッパーを外せれば、人生は上々である。

そんな初夏の独り呑みを夢想させるお店。

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