見た目、廃業してる率99%。
絶望的なその状況から、シャラっと生還するのが高知の飲食店である。
ここも前に来たときはショーケースは雨戸でがっちりガードされ、人の出入りしてる様子はなかった。
どうやらやってるらしいというおぼろげなSNS情報をたよりに、昼飯時を狙って訪ねてみた。
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暖簾が春風になびいてた。
よかった。まだ彼岸に渡ってなかった。
しかしながら、この佇まいでは一般的には開店してるどころか、食堂と認識できまい。
飲食店をアピールする情報が少なすぎる。
そもそも屋号板すらない。
中からいい匂いが漏れてきたとしても「ここのお宅、昼ご飯こしらえてはんねんなあ」くらいにしか思わないだろう。
Googleマップに「浪花屋食堂」の文字がなければ、ボクも食堂だとは気づかなかったはず。
「住居以上、店舗未満」なこの感じ、とてもいい。
店内を見渡す。
カウンターが8席に、小上がりがある。
外からも見えるショーケースと、店内の冷蔵庫にはお菜。
カウンターにはおでんが鎮座。
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実はここ、夜の部もあって瓶ビールが呑めます。
女将さん曰く、体調により不定期だけど平日の16時〜19時くらいまでやってるとのこと。
親子丼をいただきました。
具は鶏ムネ肉、タマネギ、しいたけ甘辛煮、すまき、である。
すまきとは、棒状の紅白カマボコで、おでんダネにもなる高知のご当地食材。
浪花屋食堂というだけあって、割り下は関西風のうす味。
だからこそしいたけ甘辛煮の濃い味が効いてくる。
食後には今が旬の文旦をだしてくだはいました。
お気づきだろうか?
剥き口を包丁でちゃんと切ってくれるという気配り。
これやってくれてないと文旦は食べづらいのだ。
夏になったらビーサンつっかけて銭湯で湯なぞ浴びてさ。
そっから冷えた瓶ビールでも呑りにお邪魔キメ込みたいもんですなぁ。