大阪で考えたこと

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酔狂で大阪から高知へ移住して間もなく2年。

義母の突然の訃報。

初の里帰りとなった。

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高知を発ったバスが、淀川を渡って大阪中心部に入る。

どこを切り取っても何かしらの思い出がある街。

猛スピードで情報が頭をかけ巡る。

ボクはこの淀川沿いに住まい、高知移住へと大きく人生の舵を切ったのだ。

相変わらず韓国系、中国系の観光客が多い、尋常な数でない。

まさにリアル「半島を出よ(村上龍著)」の世界である。

大阪滞在は6日間。

人付き合いの悪いボクを、幾人かの友人が呑みに誘ってくれた。

本当にありがたいことだと思っている。

大阪に帰ったらやりたいことがあった。

1つ目は立ち呑みで呑むこと。

高知には立ち呑み文化がなく、立ち呑みファンとしては寂しい思いをしてきたのである。

この日は大阪駅前第3ビル地下の徳田酒店へ。

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軽く2、3杯のつもりが鯨飲。

ここで2つ目のやりたかったこと。

昔よくやった、呑んだ〆の松屋の牛めし。

高知に松屋の店舗がないってのが理由。

この後、無事牛めしかっこみました。

3つ目は此花区区役所へ行くこと。

此花区に置きっぱなしの本籍を高知へ移転させるため戸籍謄本を取りに。

JR大阪駅でレンタサイクルを借りて、此花区までぶらぶらサイクリング。

途中立ち寄ったコンビニの駐車場。

30分以上は有料という、高知ではあまり見ないスタイル。

休日によく昼飯を食いに寄った近所の大衆食堂。

今日はどこ行こう?と相談をしながらカミさんとメシ食った店。

そんな思い出を封印したまま閉店。

ただ、ため息が出るのみ。

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1組限定のミニマムな立ち呑み台。

福島聖天通り商店街にて。

移住について「酔狂で」と冒頭で書いたが、ほんとにその通りで、確固たる理由もないまま高知へ移住したというのが正直なところ。

他の移住者に聞いてもみんなそんな感じ。

「確固たる理由がなく移住に踏み切れない」と考えている人がもしいるとすれば、素直に心の声に従えばいい。

あなたが向いている方向が出口なのだから。

しかしながら確固たる理由がないために、こうして大阪に滞在していると高知人としてのアイデンティティが揺らぐのも事実である。

このあと高知へ帰るわけだが、そこに必然性がないために疑問がうまれるというか。

大阪にも高知にも住む必然性が感じられないのなら、デラシネのようなライフスタイルしかないかも知れないし、ボク自身それを標榜しているフシがある。

例えば九州でいいバイブスの土地を見つけたから1年住んでみるとか、東北でおもしろい風習に出会ったから1年住んでみるとか、ものすごくワクワクするライフスタイルである。

流行りのアドレスホッパーをロングスパンでやる感じか。

なんかそんなことをつらつらと大阪で考えた。

義母はまだ若かった、ご冥福を祈る。

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