人里離れた仙人境に、紅葉の時期にだけ現れる幻みたいな店があることは知っていた。
このテの期間限定店は、リマインドメールでも設定しておかない限りついつい忘れて機会を逃しがち。
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これまでも口癖のように「今年で閉店」とおっしゃってはいたそうだが、消息筋の話によれば今年はマジっぽいってんで迅速果断、行ってきた。
大関売店という。
営業期間は10月半ば〜11月末頃まで、朝10時から売り切れまで、定休日不明という極めてアバウトな情報しかなく、クルマで1時間半かけて行って閉まってたら悲劇である。
このあたり他に店がないからツブしがきかない。
うまい具合にこの日はやってた、よかった。
時間は10時過ぎ、先客はひと組。
と、のんびり茶ー飲んでたら後から後から来るわ来るわ、あっという間に店先に人だかりができた。
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かにうどんとあめごにぎりを注文。
どちらも都会ではなかなかお目にかかれないローカルフードである。
ZBANG‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎
これがかにうどんだ!
川で捕れたツガニを殻ごとすり潰したふあふあのペーストがのっかっててドチャクソ美味いよ。
KAAA–BOOOOOM‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎
あめごのにぎり、めっちゃキレイ。
思ってたより肉厚で海魚にも負けない存在感がある。
回遊をしない川魚にとって川の環境は味にダイレクトに影響する。
同じ魚でも獲れた川ごとに味は変わるらしい。
川魚の味は川そのものの味なのである。
淡白というより清澄と言ったほうが相応しい味で、ほんのりとした旨味を残す。
これ毎年わざわざ食べにくる人がいるのわかるわ、なんかメッチャ風流。
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大関売店では目の前の安居川で獲れたあめごを使ってるらしい。
仁淀川水系の安居川は、仁淀ブルーのルーツだ。
「今年で閉店します」の看板があった。
心なしか年季入ってんな。
閉店します詐欺で、来年もシレッとやってくれたらボクはうれしい。
NHKが取材に来てた。
紅葉の季節だけの風流も今年で見納め、ってなノリでやるのだろう。
来年開けたら怒られるよな。