日帰り旅は地元グルメと朝ビールからスタート
久しぶりの青春18切符で電車旅である。
目的地は広島の福山。
朝大阪を出発して、福山に到着したのが10時半。
朝飯を食べ損ねていたので腹ペコだ。
さっそく福山出身の友人に教えてもらっていた「小魚 阿も珍」へ。
ここはいくつか店舗があって、ボクが行ったのは駅構内のショッピング施設「さんすて」内にあるお店。
屋号の枕に「小魚」って入るあたり、瀬戸内感が出てていい。
ここの名物が「ちーいか天」。
名前そのままに、小さなイカの丸揚げである。
ほんのりとした甘みが、いい意味で駄菓子のよう。
これはいくらでも入る。
で、旅に出たらば朝ビール。
例のキリン一番搾りの47都道府県のやつ。
広島づくりは黒ビールのハーフ&ハーフのような味でした。
テーブルに置いてあるゆず入りのイカの塩辛もネイティブには有名らしく美味。
日帰り旅、イカづくしにてスタートである。
今回の主たる目的は「極限芸術2」という展覧会を見ること。
会場であるギャラリー「クシノテラス」へはJR福山駅から1,6kmほどだ。
むちゃくちゃ暑い日だったけど、知らぬ街を歩くのは楽しい。
歩いていれば謎なランチメニューを見かけて心躍ることもある。
近年はSNSによる拡散効果への期待から、一部写真撮影OKな展覧会もあるが、「極限芸術2」は一切NGであった。
本展の趣旨を「クシノテラス」HPから抜粋する。
現在日本には120余名の確定死刑囚がいますが、その中には数十年も獄中で「その朝」が来るのを待っている人もいれば、死刑確定から数年のうちに執行されてしまう人もいます。
その朝は誰にも告げられることなく、ある朝突然、刑務官から執行の告知がなされ、およそ1時間後に死刑が執行されます。
24時間監視状態の続く狭い独居房の中で、確定死刑囚たちはその朝の到来を常に予期して心引き裂かれ、社会と隔絶した日々を過ごしています。そうしたなかで、「絵を描き、それを世の中に発表する」という行為は、確定死刑囚の人たちにとって外の世界と繋がる手段のひとつなのです。
作品は意外にも、ダークとポップな作風が半々といった感じ。
俄然ポップのほうに目がいく。
なかには諧謔的な表現すら見られる。
死刑執行を控えたまさに極限の時間に描かれたということとのギャップに、自分の中で解釈が像を結ばなかった。
作者名は失念したが、文字も入れた戦隊モノのマンガのような作品、大竹伸朗を彷彿させるコラージュ風の大型の作品が印象に残った。
さて、午後からは何しよう。
ノープランである。
JR福山駅へ歩き戻りつつ、カミさんと相談。
一つ目の案。
尾道まで出て、レンタサイクルでしまなみ海道を行けるところまで行ってみようかと。
こちとら連休だから、興がのったら途中バスに乗り換えて、愛媛の今治で名物の焼き鳥を食う。
これ、非常にロマンのあるプランなんだが、出費が莫大になりそうでボツ。
で、採用されたのが二つ目の案。
福山といえば鞆の浦に仙酔島。
ジブリのポニョで有名になった名勝である。
ということで、JR福山駅から出発直前の鞆の浦行きバスにぎりぎり滑り込み、車上の人となった。
バスに揺られて20分、瀬戸内海が見えてきた。
ところで、仙酔島への渡船に乗るには終点の「鞆港」かひとつ手前の「鞆の浦」、どちらのバス停で下車すべきなのかおおいに迷った。
キメ打ちで「鞆の浦」で下りたのだが、結果はどちらでも問題なし。
渡船場はちょうどその中間にあり、どちらから歩いてもさしたる距離ではない。
まあ「鞆の浦」バス停前にはお土産などを扱う観光センターがあるので、こちらのほうが色々楽しめるかも知れない。
帰りは席を確保するため、始発である「鞆港」から乗るとよいだろう。
本土から仙酔島までは500mほど。
渡船で5分の距離。
船賃は往復で240円である。
渡船の改札はこんな感じで雰囲気がある。
これから始まるプチトリップにワクワクさせてくれる。
出航。
船から海をのぞくと小魚がたくさん。
スペースステーション風のデカくてグロいクラゲもいました。
しかもまあまあ動き早い。
仙酔島の船着場から道なりに歩くと、すぐ海水浴場に出る。
売店で地ビール「瀬戸内レモンエール」を呑んでレイドバック。
めちゃくちゃ汗かいたので、このあと国民宿舎仙酔島で風呂入ってまたビール。
いやあ、やっぱり18切符は楽しいですわ。
日帰りだとハードル低いので、またすぐやりたくなっちゃう。