高知の作家、デハラユキノリさんの新作フィギュア展「THE HOMELESS」を観にいった。
すべりこみの最終日。
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会場はおびさんロードにある喫茶ファウスト3階のファウストギャラリー。
安藤桃子さんのキネマMのお向かいですね。
そういえば高知へきてから、デハラさんの個展みるのって初めてだな。
街ではポスターやお土産グッズなどで作品を見かけることも多いので生活になじんでしまってる。
毒々しくてポップ、キモカワイイ、小中学生ノリな下ネタやエロネタ満載なのがデハラさんの作風。
面白いのは、高知市消防団のポスターや桂浜水族館のマスコットキャラ「おとどちゃん」といった公のデザインを作風もそのままに手がけるという特異なポジションである。
作品のホームレスキャラはもうおなじみだが、今回改めて個展タイトルを「THE HOMELESS」としている。
こちらがホームレスキャラのトモロウ。
ボクは金髪になったトモロウUSAが好きだな。
実はデハラさんには個人的に思い入れがある。
20数年前、おそらくデハラさんが駆け出しだった頃、偶然に大阪で個展をみているのだ。
場所は大阪道頓堀にあったブルーナイルというクラブ兼ギャラリーのような場所。
記憶が正しければ、その夜のクラブイベントで「栄養失調の勃起」というブランド(なんちゅう名前や)のファッションショー目当てに出かけたはずである。
一杯ひっかける前に、会場の場所だけ確認しておこうと店の前まで行くと、イベント開始にはまだ時間がある時間に灯りがついてる。
なにがしか個展をやってるという。
せっかくだからと覗いてみたところ、いたのがデハラさんである。
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人の顔をモチーフにした作品が並んでいた。
下ネタ全開ではないものの、極端にデフォルメされた顔の怖くもあり滑稽でもある作風は現在にも通じるもの。
ポストカードを手渡してくれたデハラさんと少し話をした。
「笑顔ってそこに理由や心がなければ、ただの筋肉の引きつりなんですよ」
という感じで個展のテーマを話してくれた。
そのニヒリズムと、強烈に諧謔的な絵に本気印でグッときたのを今でもはっきりと覚えている。
もらったポストカードは自室の壁に貼った。
もう彼に会うこともないし、作品をみることもないだろう。絵の世界なぞそういうものだ。
しかし万一にも世に出てくるようなことがあれば「デハラユキノリ?昔から好きやで」と言えるようにと「デハラユキノリデハラユキノリ…」と唱えて名前を覚えようとしたりもした。
世に出たデハラさんを知ったのは、移住するべく高知をネットで調べていた時である。
「べろべろの神様」というキャラクターに「©︎デハラユキノリ」の文字を見つけたのだ。
高知のご出身ということもこの時初めて知った。
あのポストカードは引っ越しのたび捨てずに取ってる。
今もどこかにあるはずだ。
デハラさん、もしこれ読まれましたらぜひTwitter「@gatari23」フォロー下さいませ〜!