シリーズ「知らん道をゆく」第25回!横倉山〜合田旅館〜桐見ダム!

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※ルート詳細は地図をクリック

北と東を仁淀川、西を長者川、南を大桐川に囲まれた山塊を、反時計回りにグルっと一周する。

このルートの面白いのは、スタート地点の宮の前公園から横倉山を上ったらそのまま山腹を巻くように林道町道が通じていることである。国道に出なくていい。

国道はクルマで通る道だから、わざわざチャリで走ることもあるまい。

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宮の前公園まではクルマ。7時すぎに到着。

チャリにタイヤをはめたり、トイレを済ませたり、コーヒー飲んだりして8時にスタートした。

ウォームアップなくいきなり横倉山の登坂である。

600mlのペットボトルの水3本が重いが、まだ夜の冷気の残る朝の山道が心地よい。

道路崩壊による通行止め。クルマ止めのゲートをするでもなく緊張感は薄い。とりあえず行ってみるか。

引き返すことになった場合に備え、どう迂回するか思案しつつ進むと工事関係者のおっちゃんに出くわした。

挨拶を交わし、チャリは通れるかと尋ねると道が完全に吹っ飛んでいるという。

現場を見てもいいというのでそのまま進んでみる。おっちゃんがクルマで追い越していく。

追いついてみればこの有様。

写真だけ撮って引き返そうと思っていたら、さすがにここまで上ってきてかわいそうだと作業を中断して通してくれた。グラッチェおっちゃん。

横倉山から越知町を望む。

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それから次第に道は荒れ、陽も差し込まない雑木林が延々と続くようになる。

やっかいなのは木からぶら下がる毛虫がやたら多いこと。

かなり気をつけていたはずだが、不幸にも3度の付着に見舞われた。その都度山中にボクの絶叫がこだまする。

この手の虫は鹿などの野生動物に付着して移動するという話を聞いたことがある。

こんなことがあった。ぶら下がる毛虫が視界に入ったので急ブレーキして絶叫したところ、おもむろにそいつはスススーと糸を伸ばして下がってきやがったのだ。ボクに付着しようという意思を感じたのである。

そのことを意識しすぎたからか、雑木林のトンネルをくぐるタイミングで何か小さなものが一斉にパラパラ落ちてくるのが見えるようになった。

もしこれがボクに付着して移動を試みようとする虫たちの落下傘部隊なのだとしたら、恐ろしくて夜中便所にも行けない。

仁淀川を挟んだ向こう側にイカす集落が見えた。

おそらく仁淀川町寺村だろう。まだ行ったことはない。

どんな場所に住んでいようと人は娯楽がないと生きていけぬ。

寺村にも移動スーパーが定期的に来たり、DIYのカラオケ施設があるらしい。

四国中のこうした集落を巡る移動酒場をやってみたいなあと思う。

公民館や集会所をデコって赤ちょうちんなんかぶら下げて一夜限りの伏魔殿である。

そうしてボクは行く先々で見聞きした集落の歴史や民俗を文章に書いてみたい。

さて、ようやく毛虫のデスロードを抜け人里まで下りてきた。

道はそのまま仁淀川岸まで下る。

国道に出ずにこのまままた山へ入って行くつもりだったけど虫害にメゲた。

いずれにせよこの先通行止めらしい。

橋を渡って国道に出る。

こういう歩道が途切れた所が恐いんだよなあ。

信号ないからクルマはバンバンスピード出してるし。

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合田旅館の醤油ラーメン+半チャンで糖質チャージ。

合田旅館のある仁淀川町森という地区は商店が立ち並び、山間に突然生えた感のある町だ。こうした町には必ず過去に繁栄した歴史がある。

調べると、ここからさらに山を上ったところに戦後「松尾草競馬場」というのがあったらしく、かなりの賑わいだったらしいのだ。

この山奥に旅館や歓楽施設があるというのはそれと無関係ではあるまい。

激渋ナイトスポット「スナックゆみ」。Googleマップでは居酒屋になってるから一寸一杯てな使い方もありだろう。

無造作にビール樽が置いてあるし現役の可能性が高い。

実は崖に張り付いてるというロケーションもたまらない。

「2人いけますぅ」なんて引き戸を引けば、NEU!の「Hallogallo」が流れてくるみたいな意味不明さがあれば言うことなし。

国道439号を南進し、、、

星ヶ窪キャンプ場のある仁淀川町長者方面へ左折。

県道18号で最後の山越えである。

この長者地区も旅館やスーパーがあったりちょっとした町になってる。

そう、星ヶ窪キャンプ場もかつては星ヶ窪草競馬場だったのだ。

こちらは具体的な情報がネットにあって、昭和34年まで運営されておりレースの日には1万人近い人出があったという。

「長者」という地区名は競馬で勝つことのゲンを担いだものかも知れない。

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峠を越えた。

ここから宮の前公園まで一気下りだ。

美人とかけまして、絶景と解く。そのこころは。

どちらも3日で飽きるでしょう。

ボクは登山はやらないが、自力で到達した場所でなんてことのない風景に目を奪われるというのは共通した喜びなのかも知れない。

下る途中、越えてきた山塊を仰ぎ見る。

これ上れと言われたらイヤやなあ正直。

猛暑の単独行につき、山中で熱中症になったら即アウトという緊張感に加え、虫害にもヤラれたため気疲れの多い日だった。

家までクルマで1時間半ほど。帰宅まで気を抜かずに。

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