シリーズ「知らん道をゆく」第22回!”鏡吉原〜大川村〜新居浜”!

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※詳細は地図をクリック!

愛媛の新居浜までチャリ一泊の旅。

往路は111km、四国山地を越えていくため登坂ののべ標高は2290mになもる。

齢49、間もなく半世紀を生きようとするロートルが大丈夫か。

言い出しっぺはボクだから撤回はできぬ。脚がもげる覚悟で臨む所存である。

相伴はおなじみつけSOBAゴクツブシ寺本氏。

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朝6時の出発に備え、前日はに泊まった。

最近のコットは優秀で、安物でも布団で寝たのとなんら遜色はない。

4:30AM起床。

朝メシを食い、荷物をパッキング。

今回ザックは持たずサドルバッグのみ。

車重は増しても体がフリーなほうがいい。

高知の市街地から鏡川を遡上する。

これから3つの山越えをして四国山地を縦断していくことになる。

今回心がけたのはこまめな補給と休憩。

補給のタイミングを誤って低血糖状態(ハンガーノック)になると、体がまったく動かなくなってしまうので長丁場では注意が必要である。

そうなる前に補給し、疲れを感じる前に短い休憩を挟むようにした。

ダメージを蓄積しないという考えである。蓄積したものは除去しにくい。

持っていったのはおこわ飯。

カミさんが手伝いに行ってる日曜市「みっちゃんち」で売ってるやつ。

これを1時間半おきくらいに1つ食べるとスタミナ切れすることがなかった。

餅米パワーである。餅を入れて「力うどん」とはよく言ったものだ。

1つ目の山を超えると一旦いの町に入って、峠を下ると土佐町となる。

そこからは大きなアップダウンのない、山腹を巻くトラバース道が続く。

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八升渕のある瀬戸川は大岩がドカドカ転がるダイナミックな景観である。

大岩は集落のそこかしこにも転がり、岩の下には地蔵が祀られている。

この土着のアニミズムに軽く胸を打たれた。

瀬戸川では不思議な体験もあった。

遠く頭上の森の中からワンワンと犬の吠え声が聞こえるのである。

すわ、野犬か、と身構えたがその後も幾度か別の場所で同じことがあった。

不思議なことに水の流れる岩の隙間から聞こえることもあり、風穴の風の音だろうかと推測したりした。

※西日本新聞「岩の奧から犬の声」…警察出動、声の主は

調べてみたら、ボクらが聞いた吠え声はおそらくこれである。

季節もピタリ合う。

早明浦ダムの一角が見えてきた。大川村である。

距離的にはちょうど中間地点、これからが一番キツい区間になる。

村のえき結いの里に立ち寄る。補給ポイントはおそらくここで最後。

おこわ飯が尽きたので炊き込みご飯のおにぎりを食う。朝から似たようなものばかり食ってるな。

ちなみに早明浦ダム渇水時に湖底から現れる有名な旧大川村役場はここから見ることができる。

この日は見えず。

出発前に自販機で水を買った。

なんとこの先、県境を越えて新居浜市街に入る手前の「マイントピア別子」までの山越えを含めた45km、自販機が1台もない。夏なら詰んでた。

早明浦ダムを過ぎると次第に勾配がキツくなる。

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いっちゃん軽いギアにしてクルクルとペダルを回す。

牛歩でも進んでさえいるならそれでいい。それも蓄積すればいつか峠を越せるだろう。

はるか上まで続くガードレールを見れば辛くなる。

ペダルは下を向いて回そう。

愛媛県に入ろうとする直前、高知方面に視界が開けた。

この山ひだをひとつひとつ分け入ってきたのかと思うと感慨深い。

たとえ晴れていたとしても、ここまで来れば太平洋は見えない。

県境越えに到達。標高1093m。

しかし県境の峠にしてはあっさりとしすぎてパッションに欠ける。せめて「愛媛県」の看板くらいは欲しい。

「土佐のてっぺん」という言葉だけがボクらを鼓舞してくれる。

なお、ここから別子山村までの下りはブレーキが焼けるほどの急勾配である。

帰りは同じ道のつもりだったが考え直さねばなるまい。

1093mの県境から一気に650m地点まで下り、それから別子ダムを経てまた970mまで上り返す。

これが3つ目、最後の山越え。

時間は17時近い、出発から10時間以上チャリをこいでる。

ラスボスはいつだって、体力も精神もヤられたるころ来たる。

そこからは野生猿のちょっかいをかわしつつ、新居浜市街まで一気下り。

6:20に高知を出、ホテルに着いたのが18:30。

12時間かかった。

大浴場でホルマリン漬けになってリセットしたら、今度は新居浜の歓楽中枢へと分け入るのだ。

そこからがこの遊びのキモだというのだからボクはやりきれない、というかこんな面白い遊びを他に知らない。

参考までに復路のルートも。

さすがに同じ道ははばかられたので、日和って一番楽な国道194号にした。仁淀川沿いでは国道をそれて右岸を走っている。

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これだけの距離と標高というのはボクにとってはチャレンジだったけど、満身創痍ではなく余力を残して走れたのは、やはりこまめな補給と休憩が効いたのかも知れない。

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