高知にはまだまだ激マブな大衆食堂が多く残ってる。
なかでもレガシー級なのがここ丸吉食堂さん。
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見てよこのファサード。
玄関に対して角度をつけて停車したママチャリとショーケースを邪魔せぬよう停められた原チャリ、その間にアポストロフィのごとく配されたキリンビールの通い箱。
ガラスケースとガラス戸と暖簾はハイトが統一され、真横に一文字のラインを形成。
藍に白抜いた「吉」の字が全体を引き締めている。
これはガラスケースではない。オカズの額装である。
店内も一筋縄ではいかぬ。
さつま白波はコピー&ペーストを繰り返してポップアート然とし、擬人化されたテーブルは怪我した脚を手当てしてもらっている。
大衆食堂なのに奥には座敷席ってのもイカす。
ああ、こらグッドヴァイブレーションだわ。
野暮用済ませた16時、サクッと一杯ひっかけようか、とそんなシチュエーションに使い勝手よさそう。
呑み使いにもいけるアテがわんさとありますぜ。
カミさんが所望したのは大衆食堂の定番、中華そば。
中華そばって味はもとより、ヴィジュアルに店の個性が出ますなぁ。
ミニ寿司セット。
お揚げさんの色が薄い。見た目通りの優しいお味。
しかし、ボクがこのお店に惹かれた最大の理由はこの立地にある。
正面に見えるグレーの建物なんだかわかります?
ひろめ市場、のバックヤードです。
スタッフオンリー感むんむんのこの路地は、普通に生活していればまず通ることがない。
なのに通りに看板も出してないもんだから、高知県民でもその存在を知らない人もいるのでは?
まわりのどの建物よりも古株であろう丸吉食堂。
その昔はこの看板に煌々とあかりが灯り、通りからもよく見えたんだろうな。
帯屋町にあるこの秘境めいた大衆食堂。
野暮用済ませたあと、訪れてみては?
P.S. 丸吉食堂の「吉」の字って本当は下の横棒が長い、通称「つちよし」なんです。
表示のさせかたを調べたのですが、なにぶん呑みながら書いてたので解決できずでした。
やり方知ってたらどなたか教えて下さい。