じゃじゃ麺といえば盛岡が有名だが、岡山にも路地裏で愛されるじゃじゃ麺がある。
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岡山の駅前商店街にある華光軒という店。
以前岡山に来たとき、この路地に行列を成しているのを見て何事?ってなった。
路地の奥まりにお店はある。オープンは12時。
この日は行列はまだなかったが、オープンと同時にするりとおじさんが1人入って行った。
じゃじゃ麺の辛さは「3」でココイチの10辛と同じくらい、とおばちゃんが説明してくれる。
それ以上の辛さも有料で可能。
ココイチの10辛は経験済。じゃじゃ麺の辛さ3を注文。
そうこうしているうちに続々と来客がありアッという間に満席に。
「ゆっくりやらんと隠し味入らんのやー」なぞ達者にジョークを飛ばしつつ、ご主人は太極拳のような動きで大量の注文を捌いていく。
ビンビールでも呑んでのんびり待て。
とにかくじゃじゃ麺はメタメタに美味かった。
麺は粉感が香るパツパツのストレート細麺、汁というか上にかかったソースの強烈な辛味と旨味が食欲を刺激し続けてハシが止まらない。
ソースはひき肉とタマネギが入ってケチャップ感もあるから、れんげですすっているとミートソーススパ食ってるような錯覚に陥る。
残ったソースに白メシぶっ込むのもありありのありだ。
華光軒は他にもそそるメニューがたくさんある。
揚げワンタンだのゆで豚だのたまらんな。そのへんの単品でダラダラ呑みたい。
カミさんは五目焼きめし。チャーシューと目玉焼きがのってる。
最初米にからむ油が美味いと感じるが、これっておそらく使い込んだフライパンの味である。
目玉焼き裏の焦げ目の美味さたるや。
この辺りは戦後の闇市から続く繁華街らしい。
とあるネット記事によれば華光軒は昭和21年創業とある。終戦の翌年だ。
この情報が正しければ華光軒は闇市の喧騒というハードシティに生き抜く術として立ち上がった店ということになる。
営業中に繰り広げられるポジティブかつバイタリティあふれるご夫婦の掛け合いは、その頃に培われ、令和の世にまで連綿と続く儀式なのだ。
今はそれに客はほっこりさせられている、が当時はのっぴきならぬサバイブに必要不可欠だったのだろう。
岡山のレジェンドと言っていい良店。