ビジュアルヤバめなこのワンプレートメシ。
なにがどうなってるのか、ひと目見ただけではこの食い物の全貌は掴めない。
それよりも先に理屈じゃないところで食欲を刺激されるはず。
食える店、紹介しましょう。
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高速道路が通ったことで打ち捨てられた国道のロードサイド。
「西洋料理」を掲げるレストラン「コスモス」である。
「コスモス」というマジョリティの極みのような屋号、前時代的な煮詰まったコーヒーが出てくるであろうこの外観。
ネット情報は皆無に等しい。
ここをクルマで通過して、「ん、なんか匂うな」と引き返す御仁がいたとすれば、あなたは相当な嗅覚を持ってる。
完全にスルーしてたボクは、このテの(どのテの?)道を志す者として汗顔のいたりである。
四万十町界隈でシノギを得ておられる氏のインスタにたびたび登場していたのがこの「コスモス」だった。
やたらと美味そうなのでご本人に尋ねてみたら、提供に時間はかかるが紛れもない名店であるという。
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四万十町まで高速が通る以前、須崎より西は遥かなる道のりだったと聞く。
国道56号線のロードサイドには、そうした疲れを癒すためのドライブインが点在した。
ファミリー層を想定した小上がり席のある店が多いのはその名残だろう。
ところで隣のネイティブのオバちゃん軍団が食ってたラーメンがブッチギリにいい匂いを放ってた。
ここ四万十町はラーメン激戦区だ。
「ひらぐし」、「駒鳥」の中華そば、「味覚」の鍋焼きラーメン、「満洲軒」、「団」、「峰の上」の焼肉屋系ラーメンなどなど、小さな町に麺類を出す店がひしめき合っている。
コスモスもまたハイレベルなラーメンをぶっ込んでくるのは間違いない。
で、こいつ。
「オムレツライス」というちょっと珍しいメニュー。
ピラフにオムレツをのっけて、その上からデミグラスをかけてある。
鶏ムネ肉、マッシュルーム、玉ネギと具だくさん。
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これがもうベラボーに美味い。
ピラフもデミグラスもコテコテしてなくてサラッと薄味。
ボクはコスモスを当初、ランチも充実してる喫茶店くらいに考えていたのだが居住まいを正さねばなるまい。
コスモスはオールディーズ洋食の名店である、それもすこぶる折衷的な。
ほかにも鳥生姜丼、牛生姜焼き、ムーンステーキ、海老グラ、海老ピラなど、好事家をザワつかせるメニューがたくさん混じってる。
ヨコヤマさんによれば珠玉はホタテフライだとか。
やはり美味いものはネイティブが一番よく知ってる。