見える人にだけ見える食堂、港町の粋「お食事八千代」

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大阪から高知へ引越したもので、この1ヶ月ほどは夫婦ともどもバタバタとしておりました。

で、たまにはお互いに独り時間を過ごそうってことで、かみさんには家でゆっくりしてもらい、ボクは出かけることに。

急ごしらえでプチ旅のプランを練る。
日帰りか泊まりか、西か東か、どこかにムーディーな街はないかなぞとワクワクしつつ、須崎行きの路線バスに乗った。

高知市内から須崎までは40kmほどあるからちょっとした旅気分である。路線バスとしては長距離の部類だろう。
ただしそれは大阪人としての感覚なので、田舎では割と普通にあるのかも知れない。

ちなみに運賃はJRの倍かかるのでご注意を。

須崎に到着したのが正午過ぎ。

昼ごはんに立ち寄ったのがここ「お食事八千代」さん。

出発前にストリートビューでサクッと須崎の街を徘徊していて見つけた食堂である。 外観がとてもイカしている。

何がって、まったくもって食堂に見えないところ。

民家にしか見えないので、事前情報がなければ素通り必至である。 

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まず食堂につきもののショーケースがない。暖簾もあがっていない、「営業中」の看板もない。

唯一、屋号を書いた木板に「お食事」とあるのみ。一見お断り?ってツッコミたくなるほどの潔い店構えである。

さらに外から店内の様子が見えないので、営業中かどうかの判断が難しい。
入店をためらっていたところガラリと戸があき、楊枝をくわえた御仁が出てきてホッとしました。 

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席につくがメニューがない。

女将さんに尋ねるとカツオのたたき、玉子焼き、うなぎ、カシワの卵とじがあるとのこと。

カシワの卵とじで定食にしてもらう。

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さて、いくつかのハードルをこえて運ばれてきたこれがカシワの卵とじだ。
瓶ビールをつけたからだろうか、ご飯とみそ汁は「あとからもってきますね」と女将さん。
ほほう、ではカシワの卵とじをアテにしばし昼酌を楽しむとしよう。

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コンニャクもカシワも歯ごたえが強く、甘い味付けのおダシによく合う。それをおぼろ状の卵でとじていてお世辞抜きに美味い。
見た目は親子丼のあたまのようだが、全くの別物と考えるべき逸品である。

いい頃合いでご飯とみそ汁がくる。
注文したものをいっぺんに持ってこないというのはサービスとして非常に粋ですね。品がある。

空の胃を焦らすように昼酌を楽しんだら、アテの残りをオカズにして一膳飯で腹を満たす。
定食にビールをつけただけなのに、まるで蕎麦前のように風流な時間を感じることができ大満足である。

禅室を思わせるBGMのない店内で、ビール瓶とグラスが「カチ」とぶつかる音に港町須崎の粋をみた気がするのです。

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