「瀬戸内工業地域」というくらいで、瀬戸内海の沿岸部はたいていが工業地帯である。
労働者の胃袋を満たそうと街は飲食店が点在し、中には他の店と一線を画す個性的な店も現れる。
香川県の多度津という小さな街も例外ではない。
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大正期を思わせる看板建築の重厚感が特徴的なまんぷくは、カツ丼や中華そばといった大衆食堂メニューも充実しているが、昼に行くならお昼の定食をチョイスするのがよろしかろう。
おかず1品なら¥750、2品なら¥950でメシ、みそ汁、おしんこが付く。
おかずはガラスケースからお勝手方式である。
なかでも名物なのがこのオムレツ。
見た目が独特なしゃばソースは店オリジナルで、にんにくの効いた焼肉のタレに近い味で滅法美味い。
今回の目的はこのオムレツだったが、不意打ちで衝撃だったのが銀シャリである。
土鍋で炊いたと思われる熱の入り方の米はほぁっほぁでメチャクチャに美味い。
おかずがいらないくらいのメシに、個性ある美味いおかずが付くのだからこれほど幸福な昼メシもあるまい。
メシを大盛りにして正解だった。
最後は残った唐揚げとおしんこで昼ビールを流し込めばゾワゾワするほどの満足感がクる。
酒類もお勝手方式、やはりこの気楽さがいい。
ちなみに栓抜きが意外な形状すぎてなかなか見つからないから探してみて。
店内はこの調子、徹頭徹尾大アタリの店だった。
夜営業もあるみたいだからいつか呑み使いしてみたい。
駐車場は店の向かいにどっさりあります。