四万十川にかかる沈下橋のなかでも、もっとも有名な佐田沈下橋。
「さこや」はそのすぐ近くにある四万十川の天然うなぎのお店であり、普通に食堂や喫茶店としても使えるお店である。
ご縁あって、今回行ってきました。
話は2年前にさかのぼる。
土佐清水市や大月町界隈でバカンスを過ごした後、大阪へ帰る夜行バスが出る中村の街で一杯やることにしたのだった。
中村は「土佐の小京都」と呼ばれ、石畳が敷かれた街並みは雰囲気があって、街外れにはちょっとした大文字山まである。
街中でもとくに年季の入ったいかにもネイティヴオンリーな「よさこい」という店に入った。
店内の会話は次第にご主人や常連客、一見のボクらも巻き込んでうねり始める。
そこで知り合ったのが地元の建築会社の会長さんだった。
川エビやうなぎをしこたまご馳走になったあげく、着ていた四万十川マラソンだか何かのTシャツをその場で脱いでプレゼントしてくれたりする。
ビールはジョッキが空く前から新しいのが運ばれてくる。
これが高知のグルーヴか、と感服したものである。
後日、自家製の新米を送っていただいたりして、会長とは交流が続いている。
奥さんが佐田沈下橋の近くで喫茶店をやってると聞いていたので、行ってみようとネットで調べるが「さこや」の名では喫茶店が見つからない。
同名で天然うなぎの店ならヒットしたので、とりあえず行ってみたらここがそうだった。
確かにコーヒーなんかの喫茶店メニューもあるけど、この店構えで喫茶店と言われると迷いますよ。
午前中の早い時間だったのでモーニングをいただく。
モーニングはパンかおにぎりが選べる。ボクらはおにぎりにした。
大きめのおにぎり2つに、カニとソーメンの味噌汁が付きます。しかもお椀は丼大!
おにぎりは米自体が本当に美味いし、味噌汁はカニの甘みが朝の胃に優しい。そしてボリュームがある。
他のお客さんもほとんどがおにぎりを選んでましたね。
旅先で美味い朝飯を探し当てるのってけっこう難しい。
朝飯難民になってコンビニで誤魔化すことも少なくない。
高知は隠れた喫茶モーニング県である。
例えば宿毛の「花時茶」には尋常じゃない数のモーニングメニューがあるし、そこから大月町方面へ南下する国道321号線沿いは、さながら喫茶モーニング街道である。
朝7時頃にここを通れば、ロードサイドにある喫茶店へ次々とクルマが吸い込まれてゆく。
日中は廃業しているように見える小さな喫茶店も、この時間だけは湯気が上るほどの活気に満ちている。
今回こうして満足度の高い朝飯が食べられたのも、高知ならではと言えるだろう。