音楽の入手先がApple Musicだけになって久しい。
定額制だから、気になったものは片っ端からライブラリに追加してる。
トイレに籠ってる間にアルバム10枚以上ゲット、なんてこともザラだから必然、1度しか聴かないものも多いし、そもそもアーティスト名すら覚えないのもある。
便利な反面、こんなに野放図に聴き散らかすのはどうかなとも思う。
音楽にも供養が必要なのではないか。
、てことで2017年、大量消費したアルバムの中から10枚をピックアップしてキャプションを添えていきたい。
リリース年月日は問わず、個人的に2017年を象徴するもの10枚を選んだ。
これはさしづめApple Music、十重の供養塔である。
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Contents
アーティスト/タイトル
左がアーティスト名で、右がタイトルです。
Kohh/Monochrome
まだ大阪にいた年始頃に、舞州をランニングしながらよく聴いてた盤。
テンポ良くないから、ぶっちゃけランには合わない。
トラップミュージックというフォーマットにとらわれない畸形のラッパー。
ふと思うこと、普通は口に出さないこと、ましてや歌詞にしないこと、をそのまま唾を吐くように吐露するスタイル。
ここまで「心」と「作品」が直結してるのは、岡本太郎以来ではないか。
てのはオーバーにしても、徹底して作品に後付けの飾りを持ち込まないのは見事。
SHINGO★西成/Sprout
ボク自身大阪の西成区に住んでいたことがあるので、気恥ずかしさがあって食わず嫌いになってたアーティスト。
これを聴きながら梅田から阪神電車に乗り、淀川駅で降りるはずが、もうちょっと聴いていたい気分になって尼崎まで行ったのが今年の2月か。
おそらく皆がブルーハーツを聴く時に求めるのと同種の、ドブネズミのような優しさがある。
Sickteam/Sickteam2
ここ2年くらいは日本語のヒップホップを結構チェックしてる。
で、高知での新生活、新しいランニングコースでノリノリになってたのがこちら。
Jディラの弟の名がクレジットされた7曲目が圧倒的に好き。
泥酔するとだいたいこれ聴いてるな。
Paqua/Akaliko
大好きなBing Ji Lingがメンバーで絡んでるバンド。
ジャンルはよくわからない。バレアリックでディスコでダビーなAOR?
試しにつまみ聴きするなら4曲目「The Visitor」と6曲目「Late Train」がおすすめ。
イジャットボーイズやレイ・マンのリミックスもGood!
ひょうきん族のエンディング曲にして、80年代バレアリックチルの大名曲、EPOの「DownTown」を彷彿する8曲目「Ruby Running Faker」のギターリフにわくわくする。
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Jordan Rakei/Franklin’s Room-EP
ネオソウル?フューチャーソウル?
そう呼ばれるジャンルもこの1年よく掘りました。
ジョーダン・ラカイはどのアルバムも素晴らしいが、とりわけこのミニアルバムはよく聴いた。
全6曲のうち半分を占める、ソリッドなレゲエ曲が印象に残る。
Various Artists/沖縄トラッド
三線の音ってのはたいしたもので、iPhoneと100均のスピーカーで鳴らしても、風や波の音にかき消されない強さがある。
そして沖縄のグルーヴは風や波の音を単なるノイズではなく、合いの手にしてしまうしたたかさがある。
この夏、キャンプやピクニックのマイアンセムになっていたのがこのオムニバス「沖縄トラッド」である。
パーティーミュージックでありつつブルージーなのは、労働歌としての側面もあるから。
Dusty Springfield/At Her Very Best
仕事終わりの帰り道、夕焼け空だったら独り乾杯したくならないかい?
高知中央公園に併設するファミマで安ビール500ml缶を買ったら、やおらヘッドホンを取り出してビールによく合うこれを流すのである。
映画パルプフィクションでおなじみ、2曲目「Son Of Preacher Man」ではビール缶片手に目をつむり、少しだけ体を揺らす。
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Special Others/Special Others2
よく知らなかったバンドだが、SNSの投稿で見てなにげに聴いてみたらハマった盤。
それぞれ趣向の違う全5曲、どれもよくできてる。
中でもこれ目当てにして再生しまうのが、リップスライムとのコラボ曲。
ゆる〜いラップが気持ちいい。
Alton ellis/Mr Soul Of Jamaica
夏の休日は朝起きてコーヒーいれたらとりあえず、という感じでこれを流してました。
朝のナーバスな時間を和ませてくれる。
ロックステディの創始者アルトン・エリスの1stアルバム。
ロックステディというジャンル名は本盤収録曲にちなむ。
Iron & Wine/Beast Epic
こちらもボクにとっては朝の音楽。
アーティストの素性も知らないまま、PCのライブラリからこのジャケットを探してよく流してました。
Iron & Wineはシンガーソングライター、サミュエル・ビームのソロプロジェクトである。
アタック音がほとんどないので二日酔いの朝はここぞとばかりに。
おわりに
本稿を書くにあたり、アルバムを聴きなおしたりアーティスト情報をネットで調べたりした。
簡単なキャプションとはいえ、こうしたアウトプット作業をすると作品の理解が深まるし、聴き散らかしてとっちらかった頭の中の整理にもなる。
少しは供養になったのではないかなと思う。
ところで年末のリリースに良盤が多いというのは本当らしい。
今回の10選を締め切った後に聴いた、井手健介と母船、サム・スミス、ゴールデンティーチャー、けもの、のアルバムも素晴らしかった。
来年はこまめにアウトプットをしながら、定額制音楽配信サービスの内に広がる音楽の海と付き合っていきたい。