過去に繁栄した経緯をもつ街は魅力的だ。
くたびれた街路に古参の飲食店が息づき、どこか影がある。
徳島県の小松島市は、関西方面からの四国の玄関口「小松島港」を擁するかつての交通の要衝であった。
-->
JR南小松島駅の北側が当時の繁華街で、苦味走る酒場が点在している。
なかでもここ「焼鳥よこた」は朝10時開店で、昼呑みから夜呑みまで自在である。
そのあたりは船が朝な夕な出入りして、港湾関係者が立ち働く街の名残りなのかも知れない。
16時半ころ入店、アイドルタイムで他に客はなし。
奥の席で犬がテレビを観ている。
今回は宿の大浴場の準備ができるまでの散策途中に立ち寄った。
風呂に入ってからホンチャンの呑みなので、ここは0次会というわけだ。
右が焼鳥メニュー。札がかかってれば今日あるよという合図。
手羽先としんぞうは品切れ。
よこたは焼鳥だけじゃない。ガッツリ焼肉も食える。
カウンター席にもガス管が通っており、ロースターを出してくれるらしい。
とりあえず焼鳥、かわ、せせりを注文。
大将のお母様だろうか、焼けるまでにとおしんことしらすを出して下さった。
すだちを搾って食うとうめぇこと。
大将はクセも方言も強め、強面で荒々しく、よく喋る方だった。
0次会のつもりが焼鳥の美味さと大将のキャラにヤラれて、ここでどっぷり呑んでみたくなった。
1軒集中で小松島の深みに落ちるのも悪くない。
いかんいかん、他にも行きたい店が山盛りあるのだ。
なんとか2杯でおいとました。
港町らしいルーディさ溢れる酒場である。