立ち呑みや角打ちなど、簡易な酒場に目がない。
そこにはブルーカラーのブルースが流れている。
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こちらブルーの装飾テントの竹内酒店、実は異色の角打ちである。
高知では立ち呑み屋を見かけないし、角打ちをやってる酒屋もない。
腰を据えて呑む文化なんだろうなと諦めかけていたところ、ネットでこの竹内酒店を見つけたのである。
表には立ち呑みスペース、店内は座って呑めるようになってる。
正面の席はこの日、ご婦人方の集まりで予約席となっていた。
この時点でちょっと普通の角打ちじゃないですよね。
角打ちでは缶ビールかコップ酒が一般的だが、ここでは生ビールが呑める。
泡の比率も完璧。
アテが圧巻。
乾き物ではなく真っ当に居酒屋メニューである。
そばねり、葉ごぼう、わらび酢漬け、ハチクエンドー、めひかり、などワクワクさせるメニューばかり。
大根おろしとこんにゃくが独立したメニューてどんなんやねん。
まずは小イカ煮付けから。
口に放りこんでからスルリと軟骨を抜く快感。
ふた品目はハチクエンドー。
ハチク(破竹・淡竹)は初夏が旬のタケノコで、えんどう豆と一緒に煮るのが高知ではポピュラーな食べ方。
ハチクの穴にえんどう豆とひとつふたつ入れて食べると美味しい。
素敵な絵が飾ってあった。
恐竜時代にタイムスリップした竹内酒店の前に立つ大将と奥さん。
高知で活動する恐竜画家、小松大輔さんが描いたものらしい。
面白がっていたらポストカードをプレゼントして下さいました。
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日本酒にチェンジ。
土佐鶴、桂月、司牡丹の3種から桂月の常温をチョイス。
アテはいさきのお造り。
で、またこの醤油が一筋縄でいかない。
ソースみたいにとろっとして甘めでコクがある。
聞けば徳島は阿波池田で作られてるテンシン醤油というもの。
大将曰く「スーパーの刺身もこれで食うと美味い」。
面白がっていたら容器に入れてわけて下さいました。
実は大将、かなりアクティブな人。
ロードバイクを駆り、マラソンも走る。
店内に鎮座するこれが大将自慢のロードバイク。
パナソニックのレトロフレームに、変速機はなんとイタリアの高級コンポーネントメーカー、カンパニョーロ!
中でも最高峰モデルの「レコード」を搭載。
乗鞍岳のレースのための装備とのことである。
店のある界隈はやたらと酒屋が密集した地域である。
昔はどこも角打ちをやってたらしい。
同じことをやっていても生き残れん、と居酒屋寄りの角打ちにシフトしたのだそうだ。
現在、界隈で角打ちとして残っているのは竹内酒店だけである。
営業は朝9時(!)から夜10時頃まで。
入りにくいかも知れないが、めちゃオープンマインドな大将なので旅行者にも是非オススメしたい。
ひろめ市場や葉牡丹の昼酒も間違いないけど、よりディープを求める向きには竹内酒店の朝酒である。
メニューに値段が書いてないので今回のお代を参考までに。
生ビール2杯、酒1杯、小イカ煮付け、ハチクエンドー、いさきお造りで〆て2500円である。
もう高知に角打ちなんてないなんて、ゆわないよぜえたい〜 ♫