実益も見込んだ趣味として、3月半ばから始めたスパイスカレー作り。
当時はまさかコロナ禍で店を営業自粛するとは夢にも思ってなかった。
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なんの因果かテイクアウト業に乗り出した今、カレー弁当は弊店の大事ないち商品となっている。
グッドタイミングなのかバッドタイミングか、ただただ使命感を持ってスパイスカレーに取り組んでいる。
元来ボクは料理できない男子だ。
スパイスどころかまず野菜の切り方をYoutubeで勉強するところからだ。
市販の固形ルーを使わずに、スパイスを混ぜ合わせてカレーができるって不思議やな〜と始まりは好奇心。
とりあえず100均で基本的なスパイスを買ってきて、レシピ見ながら作ってみた。
ちなみに業務スーパーなら同じサイズのが88円ほどで買えます。
具なしは寂しかろうとジャガをブッ込んでみた。
クミンだかコリアンダーだかどれがどれやらで分量を大幅に間違ったし、なんかポテポテだけどカレーらしきものにはなった。
とりあえず味はカレー。
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とにかく場数を踏もうと、興味の向くまま色々作ってみてる。
おそらくスパイスカレー作ると誰しもブチ当たるのが「コク出ない問題」。
スパイスの風味はガツンとくるけど旨味、深みに欠けるのだ。
音楽で言えばギターがギャンギャン鳴ってるだけで、ベースラインは貧弱みたいな。
飴色玉ねぎにニンニク、ショウガ、カットトマト、そしてスパイスを入れて水分を飛ばしたペーストがカレーの素になり、それを水で伸ばしていくわけだがレシピによってただの水だったりコンソメを入れたりと人それぞれである。
水だけだとやはりコクがでないので、今はチキンブイヨン、コンソメ、鶏ガラスープの素、ウェイパー、干しエビなど、色々なスープを試しているところ。
が、コクで食わすというのは煮込みカレーの領域だなと思っていて、本来は玉ねぎと鶏肉の旨味、そして香り立つスパイスだけで表現するのがスパイスカレーの醍醐味なのだろう。
レシピを見てると仕上げは塩で味を調える、と書いてある場合が多い。
実はこの作業がめちゃくちゃ難しいのだ。
ティースプーンでの少量の味見だと薄く感じてしまう傾向があるんですよね。
ご飯に盛ってまとまった量を食べたときと味覚に落差が出る。
だから味見してジャストでも、実食すると塩っ辛いという失敗がよくあった。
最近はそのあたりの精度も少しずつ上がり、上達する過程がとても楽しい。
なによりお客さんに「美味し」と言っていただけるのが超うれしい。
もう後戻りすることはなかろうと、スパイスは業者から100g袋で仕入れるようにした。
ビンはダイソーのコレ。
いずれはこんなスパイスボックスも欲しいなー。
キャンプ場でサクッとスパイスカレー作ってモテたい所存である。
オレゴニアンキャンパー Oregonian Camper ペッパーボックス コヨーテ
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これはよんべのまかないメシ。
ウチのカレー弁当の付け合わせはポテサラ、キャベツのアチャール、ガリである。
ガリは賛否あるけどボクは合うと思う。
スパイスは味付けじゃないから、たとえ入れすぎたとしても味濃すぎたとはならないのが面白いところ。
むしろいつもの倍入れてみたりすると、まったく別のカレーになってそれはそれで美味い。
カレーに正解がないってのはほんと。
あ、チリやカイエンペッパーは入れすぎちゃダメよ。
そんな感じで、まだ感覚的ではあるけれどスパイスの抜き差しも試行錯誤してる。
スパイスカレーと言ってイメージする星屑を散りばめたような煌びやかなカレーはボクには作れそうもないんで、無骨でジャンクななかにも独創性のあるカレーにいつかたどり着ければいいなと思う。
スパイスカレーブームは続いてるし、自作に興味ある人は多いんじゃないかな。
スパイスの調合に敷居の高さを感じて手を出せずにいるみたいな。
やってみるととてもシンプルなので、外出自粛の今試して遊んでみる価値はありますよ。
安い小ビンのスパイスとフライパンがあればできます。
あと、服が汚れるのでエプロンは必須。
オススメはワークウェイのアウトドアエプロン(1500円)。
コーディネートもないがしろにできないから無地のデニムタイプも買っちゃった。
無駄に玉ねぎ炒めたくなるよね〜。
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営業自粛、からの慣れぬ弁当屋稼業へのシフトで売り上げは減っておりピンチはピンチである。
が、悪い話ばかりでもない。
これまでは昼12時から開けてはいるがランチ営業をしていないので、近所で働く皆さんは素通りしてコンビニ直行だった。
そうした方々がお昼に寄ってくれるようになったのだ。
さらに、店内での飲食と違ってテイクアウトの場合、ある程度プライベートな環境で写真が撮れるというのもあって、購入いただいたお客さんの大半がインスタなどに投稿してくれているのだ。
投稿数は通常の倍以上になってる。
そうした投稿をみて知って下さる新たなお客さんもいらっしゃる。
つまりピンチではあるが、新たな客層を開拓できるチャンスでもあるわけだ。
また、テイクアウトにシフトした高知の飲食店を応援しようと、まとめサイトも次々立ち上がっている。
高知ブログ界のポップスター竜一さんのブログ、生姜農家の野望Online内に高知テイクアウトグルメ(持ち帰りグルメ)まとめという記事がアップされており、弊店も扱っていただいている。
こうした後押しは我々飲食店への「忘れてないよ。ちゃんと見てるよ」というメッセージでありとても勇気付けられる。
テイクアウト業のノウハウは得られるし、スパイスカレーのスキルは上がるし、閉店時間が早まったので早寝早起きになったし、お客さんの新規開拓まで、とポジティブに前を向ける要素もたくさんあるということ。
なにより現在月7日、1日5時間入ってるバイト給料を、カレー収益が上回りつつある。
コロナ禍が去り、通常営業を再開した暁にはボクは堂々とバイトを辞め、念願の生涯休日者となる。