念願の新子祭りである。
大阪時代、高知に遊びに来るのは決まって夏ど真ん中だったので、晩夏に行われるこの祭りには参戦できずにいたのだ。
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「新子」の発音はそのまま「しんこ」でよい。
新子とは生後1年以内の若い魚のことで、一般的にはどの魚でもそう呼ぶらしいけど、高知で新子と言えばメジカ(ソウダガツオ)のそれをさす。
ソウダガツオって土佐清水のイメージがあったけど、新子祭りの開催地は須崎。
土佐清水は鰹節だったかな
「すさきがすきさ」とプリントされたTシャツを着た女学生がわらわらとおられました。
祭り期間外で新子を食べるなら土佐久礼の大正市場が有名ですね。
とにかく足が早い、というのが新子の枕詞である。
鮮度を保てるのは水揚げしたその日いっぱいなので、県外でお目にかかることはまずないだろう。
というわけで、港から直行した捌きたての新子をいただけるこの祭りは非常に値打ちがあるからして、県外からも人が押し寄せるのである。
天気はドピーカン!こいつは祭り日和ですなてことで、祭り開始の午前9時に会場に到着。
写真を見るとまだ人まばらやんと思うでしょ?
なんの、すでに新子売り場はこれもんで長蛇の列なんやで〜!
新子の販売は10時半からだというのに、後から後から人が亡者のように連なり、列は九十九に折れてゆく。
湿度は低くカラッとした秋晴れなれど、陽射しにはまだまだコシがある。
耐日射仕様のスタイルでのぞむべし。
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行列の裏では、祭りの主役である新子が続々と会場入りしていた。
想像してたよりデカいな、新子。
結局、行列に耐えること2時間強。ようやく売り場へ達する。
売り場の脇では精鋭の捌き手たちが、到着したばかりの新子を次々と捌いていました。
ようやくゲットしたこれが新子だ。
1人前500円。
下に敷いたツマはリュウキュウ(はす芋)である。
ここに醤油と仏手柑(ぶしゅかん)を搾って食べる。
新子はその食感に特徴がある。
よく「モチモチ」と表現されるが、ボクはどちらかといえば「フワフワ」だと感じた。
いずれにせよ未体験の食感で美味い。
また脇役の仏手柑とリュウキュウが新子を引き立てること。
蛇足をひとつ。
祭りに出店してた古道具屋さんで見つけたこのオモチャ。
ボタンひとつで釈由美子と思しき美女がお酌をしてくれるというシロモノである。
その歪んだコンセプトもさることながら、背景のチープなマンハッタン感が秀逸である。立体感を出すために湾曲させたアイデアも良い。