女性スタッフオンリーで切り盛りする古酒場にハズレなし。
岡山にあるまつやもそう。
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岡山へは年になんべんか訪れるが、岡山駅の西側に立ち入るのは初である。
奉還町の商店街を散策してみる。
新旧老若の店々がコントラストを成して入り混じる光景は、ある意味「今風」の地方都市的と言える。
そんな商店街のアーケードを少し入ったところに「まつや」はある。
予約無難と聞いたので、そのようにして行ったら通してもらったのは小上がり席。
今日は朝からちょこまかと動いた日だったので、弛緩して呑めるのはありがたい。
メニューは小アジ南蛮漬け、なまこ酢、いいだこ煮付け、など、ザ・瀬戸内のラインナップ。
ボクは瀬戸内の出身なので、子供の頃このへんをアテに大人たちが酒を呑んでいたのをよく覚えている。
にし貝バター炒め。
しいたけと芽キャベツも合わせてあって喜びは倍の倍でブーストする。
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「まつや」のような小料理屋然とした店でアジフライがあれば必ずお願いする。
ここのはタルタルでもしょう油でもなく、しそドレッシングに似た酸味のあるタレにちょいとつけて食う。これが妙〜にイケる。
知らない街、知らない酒場で呑む愉しみというのは何ものにも代え難い。
嗜好を超えてもはやライフワークといって過言でない。
テレビも音楽もない店内が、店員とお客の方言で満たされていく。
岡山弁はとてもメロウである。
日本酒に切り替えるつもりで頼んだが、結局レモンサワーで駆け抜けたあん肝。
なんとなくバランスを取ろうと頼んだホルモン炒めもちゃんと美味い。
キャッチーな名物があるでなし、パンチの効いたチーママがいるでなし。
じゃ地味な店かといわれれば、それはちょっと違うなと唸らせる凄みがある。
創業は1982年と聞く。
地の人が地のもので呑む地酒場はオーディナリーであればあるほど良いのかも知れない。
バイト募集は女子大生限定。
昭和から続く岡山の女の園は、明日もまたハツラツとメロウであれ。