日本酒、それも燗酒を得意とする呑み屋である。
打ち水すればさぞ風情あるやろなあと思わせる侘びた外観。
ご縁あって寄せてもらった。
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やっぱ一杯目は炭酸やなとメニューを見ますれば、はて「チューダー」とな?
ジョンケージの「4分33秒」を演奏したピアニストのデビッドチューダー?
これ焼酎の三ツ矢サイダー割り、ショーチュー+サイダーでチューダーである。
って藤子不二雄インスパイアやん!
元ネタは短編集らしいけどタイトルは大将も忘れたとのこと。
作品名ご存知の方、ご教授下さい。
ここは枡形にあるサケとサカナ ヒナタさん。
秋に開催されるハシゴ酒の祭典「日本酒ゴーアラウンド」の高知大会を仕切っておられるのがこちらの大将である。
このたび諸先輩方に混じって我々Day’n’Seaも「日本酒ゴーアラウンド」の末席に名を連ねることになりそのお話も兼ねて、というより以前から気になりまくってるコレが食いたくて。
ど〜ん!とり肝オイル漬けである。
こちらの舌幻想を上回ってくる美味さ!
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合わせるお酒は大将におまかせ。
島根の十旭日(じゅうじあさひ)をセレクトして下さった。
半合を冷やで。
酒器がとてもしゃれてる。
半合サイズの錫製ちろりがいいね。
ぐい呑みと比べるとそのプチ感がよくわかる。
一筋縄でない独創的なメニューがずらりで、衝動的に全部食ってやろうかという気になる。
どれも日本酒に合いそうだし、牛モモと桃の冷菜なんて韻踏んでるYO!
みょうがとしらすの胡麻あえ。
チビチビつまみながら無限にイケるやつ。
13日熟成漬けカジキ。
言われなければハムと見紛うような食感と旨み。
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2杯目も大将に委ね。
鳥取の日置桜、青冴えをセレクト。
同じく冷やで。
蒸し鶏と小夏の塩辛オイル。
柑橘が不思議と合う。
ものすごいサバ焼き。
何がものすごいかっていうと、ものすごいじっくり焼くんである。
3杯目は燗酒を所望。
夏にHOTは初めてかも。
大将の選酒は再び十旭日に回帰。
サバ焼きをアテにのほほほほほほ……。
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順序があべこべになったけど付き出しも凝ってる。
雄町の白ごはんを味見させてもらった。
雄町って一般には出回らない日本酒の原料となる米なんだけど、それを炊いて食べてしまおうという面白いメニュー。
もろこし天は注文が通ってから、生のもろこしの皮剥いて揚げてくれる。
酒場って物理的な酒と肴の提供だけじゃなく、それらを通じた体験なんだということを実感させてくれるお店である。
美味そうなアテをふたつみっつと頼んで、あとは大将の選酒に委ねる呑み方が楽しいんじゃないでしょうか。
日本酒に一家言あろうとなかろうと、質の高い酒体験をさせてくれること請け合いである。