隣の家はおとなりさん、向かいの家はおむかいさん、斜めの家はおななめさん、お墓の近くの家はおばかさん、とは江口寿史の漫画「ひのまる劇場」に登場する探偵、白智小五郎のギャグである。
今回はお墓の話。
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子供のころからお墓って自分には不要だなと思っていた。
デザインはシャバ僧だし、機能的でないのに値は張るし、そもそもボクのような凡夫が死後のモニュメントなぞ要るかと言いたい。
そりゃあ先祖ってのは大事にしなきゃいかんよ。
先祖あっての自分だもの。
ただ、ボクのなかでは大枚はたいて墓石買って、それを置くための土地を分けてもらうことがイコール先祖を敬うことじゃないってことです。
先日うんこをしながら「ゆくゆくはSNSアカウントのお墓的な使い方も出てくるんやろうなあ」とぼんやり考えていた。
ん、もしかしてもう始まってんじゃねと調べてみたら案の定、facebookでは始まってました。
追悼アカウント管理人という機能があるのだそうだ。
基本的には生前に追悼アカウント管理人を指定しておく必要があるが、未指定の場合でも家族からの申告があれば追悼アカウントへ移行できるようだ。
追悼アカウント管理人と言えどなんでもできるわけではない。
ログインはできないし、友達の削除など個人の尊厳に関わることは不可である。
できることの中で興味深かったのが、死後の友達リクエストに対応できるということ。
故人にとっては知る由もないことなのだが、やはり故人となんらかの形で関わり合いたい、その依り代がほしいというのは人の情である。
ボクも大切な友人を亡くした経験があって、やっぱりそいつとの過去のLINEのやりとりを眺めたりすることがあるからその心情はよくわかる。
生者にとっては故人と関わることができ、他者と気持ちをシェアすることのできる装置が必要なのだろう。
墓石にしろ追悼アカウントにしろ、いわば故人とのインターフェイスなのである。
でもやっぱりボクは墓石はごめんかな〜。