
映画「マルサの女」のワンシーンを思わせるイカした路地。
姫路に来ている。
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このミチミチに詰まった一角にある「プロ酒場」という居酒屋。
潔いというか忌憚がないというか、ズバンと直球な屋号に誰しもがキュンだ。

のぞくと満席だったものの、5分ほど辺りをブラついて戻ってきたらちょうど席が空いた。
L字カウンターの一番奥へ通された。

まずはビンビールと播州名物のひねぽん。
ひね鶏(親鶏)の焼いたのをおろしポン酢とネギであっさりと。

手作りさつま揚げ。

ボクの視点はこう。
店内が見渡せるし、右が壁なのも左利きのボクには按配がいい。

本日のおすすめはそそるメニューばかり。
これとは別に固定のメニュー表もあるから品数はかなり多い。
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カレイ煮付け。

タコの唐揚げ。

久しぶりの明石焼き、やっぱ美味い。
そろそろ腹九分だけどスルスル食える、いや飲める。

納豆焼きはポン酢っぽいタレで。
ここは注文を受けてから作るかす汁が絶品らしいのだが、冬季メニューにつき4月末のこの日はもう終了してた。
最後に何か一品欲しいなと思い、ふと思い出す。
表の看板の「プロ酒場」の横に書いてあった湯豆腐だ。湯豆腐でラスト泣きの1杯やろう。

ダシを飲む料理。関西だなあと思う。
もちろん味付けはしてあるけど必要最低限。あくまでダシのポテンシャルにフォーカスしてる。
大阪から高知へ移住して5年。郷愁すら感じる味だ。

これに山椒多いめの黒七味をかけるともう美味いの美味くないのって、美味いのよほんなもん。

ところで「プロ酒場」の由来は?
実は「プロフェッショナル」ではなく「プロレタリアート」のプロらしい。
プロレタリアートとは時給、あるいは日当で働く労働者階級のこと。
電光看板にある「プロ」の文字は意図的に輪郭をぼやかしたようなデザインになってる。
涙に滲んだようにも見える「プロ」の文字は労働者の悲哀を表しているのかも。