高知に新しく誕生した野外フェス「annahme」(アンナーメ)。
第1回が2021/11/6〜7日で開催された。
首謀者はイベントスペース「3F」の名物パーティ「テクノヒ」のクルー、ソウさん、ユタカくん、ゾエくんの御三方。
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会場となったのは「グリーンパークほどの」の広大な芝生広場である。
正面に見えるステージのすぐ裏は仁淀ブルーで知られる「にこ淵」から続く谷が深く切れ込んでおり、その谷越しにダイナミックな山陵が屏風のように連なる。
峻険な四国山地をパノラマに見る、強烈な抜け感のあるロケーションだ。
初日は朝10時スタート、深夜2時まででオールタイムDJ。
2日目は朝8時頃からからアコースティックライブ、DJのアンビエントセットからユル〜く始まって16時終演というスケジュール。
音楽以外にもアートセンター画楽によるライブペイントした布をバッグにして販売する企画があったり、テントサウナが出たりとコンテンツは盛りだくさんである。
ボクもDJとして末席に加えてもらい、大衆酒場Day&Seaとしてはフード出店もさせてもらった。
「annahme」幕開けの1曲目はHoppyさんによるThe Doors「The End」でした。
ハートに火をつけて(2017リマスター・エディション)/CD/WPCR-17894
こちらは出店ブース。
飲食はもちろん、物販、占いのブースまで出ていた。
写真は尾道のアーティスト、まるちゃん A.K.A nutsponchonのブース。
オリジナルのTシャツやパーカーはオンラインでも買えます。
大衆酒場Day&Seaでは「ぶたじる」をお出ししました。
夜の冷え込みも手伝っておかげさまで完売。ありがとうございました。
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「annahame」の音楽的支柱はテクノにある。ミニマル発ダーク行き。
が、テクノばかりがかかるわけではなく、各DJが自由に個性的な選曲をしていた。
そうした日中のバレアリックなムードが、日没とともにダークミニマルに収斂されていくというのが大きな流れだった。
夜半、足元もおぼつかぬ暗がりに忍び込み、音の渦に身を任せる。
「ドン・ドン・ドン・ドン」4拍子のキック音の「ドン」で宙に跳び、「ドン」と「ドン」の間で着地する。
頭上に冬の星、地面は芝生で柔らかだ。
メインアクトはDJ YAZI(BlackSmoker,ThinkTank)の4時間セット。
さすがにボクは体力が持たずにやむなくIn Da House。
アメコミの硬質なダークヒーローのようなそのDJプレイはテントの中から聴かせてもらった。
皆さんテントでベースを作って、そこからのんびり音楽を楽しんでおられた。
ボクもそう。
ほんとはね、DJブースまわりに屯ってわちゃわちゃしたほうが盛り上がるんだけど、これはこれで野外ならではの贅沢な楽しみなのだ。
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“annahame”とはドイツ語で「受容」の意。
「平等」という理念を掲げることは社会全体として重要であると同時に、それは自然界に存在しない概念である。
安直に「平等」を謳うだけでは実現しない理想なのだ。
だからこそ取り繕って形骸化した「平等」ではなく、多様な個を「受容」することで結果として訪れる「平等」のほうがいいよねと。
「annahme」が標榜するのはそうしたフューチャリスティックな「平等」である。
本当に何もないところからスポンサーも付けずにここまでのパーティを創り上げた御三方に最大限のリスペクトを。
一過性の享楽的なイベントではない。
「annahme」は今後の彼らのライフワークになっていくんだろう。
ボクは高知に移住してもうすぐ5年。
段ボール箱に開けた目出し窓から世間を眺めるような、そんな暮らしがしたいと思い高知に流れてきたボクにこんなハレの場が与えられようとは思いもしなかった。
とてもと言うのか、たくさんと言うのか、VERYなのか、MUCHなのか、、、
ともかくボクは「受容」されている。