好事家のあなたに高知の新店情報を。
「住居以上、店舗未満」が堂に入っており、新店にして創業50年の風格。
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「酒・若藤」。
「酒肆」を名乗ってほしいくらいの渋み。
場所は高知市旭、電車通り。
以前、かの晩酌道場跡地が鎮座した一角である。
晩酌道場の看板が外され「花りん」という店に変わったものの、営業してるとこ見やんなあと思ってたら隣の物件に灯が灯った、それが「酒・若藤」。
外観から想像するに、中はフリークアウトしてるかと思いきや意外にも軽妙洒脱。
小料理屋みたいな小ギレイさ。
カウンターにはママ1人、見渡せどメニューはない。
ヒリつく空気。
こういう店は海外旅行みたいなもん、なんとかなる精神でいこう。
ビールを所望して出方をうかがうべし。
ぬおっ、トッポが出てきた。
初手からまあまあな奇技である。
ビールにトッポとは、何やらぬるっとした気分だ。
次はこちらのターンである。
が、肝心のメニューがないのだから譜面のない曲を演奏するようなもの。
当てずっぽうでもまずは一音出さねば。
「たまご焼きとかあります?」、、、「あるよ」。
酒もしっかりとまわり、サーファー風の威勢のいいネェさんも居合わせたりして愉快な酒席となった。
はちきん婆さんが切り盛りして、無粋なオッサンが胴間声はり上げるようなハード&ドライな店ではない。
女性の一人呑みが似合う店だと思う。
アルコールでチイチイパッパな頭にも、そんなしっとりさは伝わってきた。