大阪のスパイスカレーブームが続いている。
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いまや「大阪×スパイスカレー」といえば、「京都×おばんざい」や「銀座×フルーツパーラー」同様、風土に馴染んだメシブランドとしてボクの住む高知にもその名が聞こえている。
久しぶりに大阪の街をブラブラしていたらば、右も左も「スパイスカレー」の文字が躍る。
スパイスカレー戦国時代、役者はそろった。
ここから先は淘汰の時代。
ブーム過ぎしあと、結果どの店がいちばん儲かったか。
答えは明白、スパイス卸し業者だろう。
なにもスパイスカレーにあらずんば、ということもあるまい。
大阪には古く、文豪織田作之助が愛した「混ぜカレー」がある。
まんべんなくご飯とルーを混ぜ合わせて生卵をのっけて供される、あの自由軒の「名物カレー」だ。
この混ぜカレー文化。
レコードのシングル盤になぞらえてA面を自由軒の「名物カレー」とするなら、B面を飾るのはニューライトの「セイロンライス」だろう。
泉州系ヤンチャな人たちのチラシが隙間なく貼られた入り口を見て、誰もここが洋食屋だと気づくまい。
換気扇からバターとメリケン粉の炒まる匂いが排出されてきたとしてもだ。
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大阪散歩中、カミさんが発作的に「セイロンライス」が食いたいと言いだした。
若いころよく一緒に食った思い出の一皿である。
店の中もこの有り様。
壁も天井もサインとチラシとシールで埋め尽くされてる。
空腹じゃなかったのでボクは瓶ビールをテイク、セイロンライスは1人前だけ所望。
ステンレス皿つうのが時代がかってていい。
これがB面、「セイロンライス」。
客の大半が「セイロン、カツのせ」と注文する。
ポテっとした自由軒の「名物カレー」に対し、こちらはシャバッとしたカレー雑炊といった趣き。
ほんっと久しぶりに食べたけど、やっぱメッタメタに美味い。
レトロな洋食屋特有のメリケン粉っぽさ(わかる?)が、ポスト平成へと受け継がれる、正しく昭和な混ぜカレーである。
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当時カミさんはよくラーメンがついたオムライスセットを所望していたな。
ボクのお気に入りは、ミンチカツ、野菜スープ、メシ大盛りの単品攻め。
ちょいと高くつくが、このコンボも涙ちょちょぎれるくらい美味いので是非!
ちなみに「セイロン」ってスリランカの島名でスパイスカレーの盛んな土地なんですよね。
シェフも奥さんも随分と歳とられた。
A面が文豪ならば、B面はアメリカ村のユースカルチャーに広く愛された味である。
Youtubeにとんねるずがニューライトを訪れた動画がありました。