初めての広島、呉。
高知から約300kmほど。
瀬戸内挟んでお向かいさんくらいに考えてたんだけど思ってたより遠かったね。
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とまれ、右も左もわからぬ未知の街を訪ねるのは楽しい。
そして長時間運転で凝った心身を弛緩させるにはアルコールが手っ取り早い。
酒場にはまだ時間が早い。
ならばカフェで一服するように大衆食堂でちょい呑みといこう。
「寿食堂」さん。
元気で愛想のいい女将さんが出迎えてくれる。
メシでなく軽く一杯という申し出にも快諾してくれた。
ビンビールが大・中・小選べるあたり呑み屋オリエンテッドな食堂である。
ガラスケースから赤魚煮付けを取り出せば、即座に女将さんが温めてくれる。
ようしゅんでる、最高のアテ。
店内いたるところにオモチャ、雑貨、ガラクタ(失礼)が陳列してあり、常連さんが持ち込んだり別の常連さんが持ち帰ったりするらしい。
そんななかにレコードなんか混じってて面白い。
それも歌謡曲とかじゃなくヒップホップやハードコアの12inchだったりする。
ボクの席にはリルキムがあった。
基本ネイティブオンリーのこうしたお店にボクのような異分子が入るとやや警戒される。
いつものことでそれは慣れてる。
たいていは「近くの人ぉ……じゃないよねぇ?」みたいな探りが入るが、ここは探りの入れ方が独特だった。
「カープ終わったねぇ」、とこうだ。
広島県民ならスパーンと返しがあるはずで、反応が鈍ければ県外人というわけ。
カープどころか野球全般にうといボクの反応を見て、「あれぇ、どちらから?」となった。
広島県民にとって「カープ」は天候や時事と同じく社交の切込みワードなのである。